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アプローチで変わるダイレクト・マーケティングの可能性-複合型マーケティング時代の戦略と戦術を考える-セミナー 1商品の売り方や買い方だけでなく、商品や情報の価値、企業と消費者との関係までも変わってしまったデジタル社会の中、セールスプロモーションの実務はどう変わったのか。販促企画において、デジタル時代に適応する戦略と戦術とは。株式会社フジプラス 営業本部 シニアマネージャー 高田 篤1.0から4.0を一連の工程と捉えると、1.0と2.0を商品と市場の分析、3.0と4.0は戦略・戦術の企画と考えることができます。■ デジタル時代の販促は、複合と拡散■ 属性分析は定量と定性の双方から■ 立ち位置を決めると方向性が見えてくる■ 戦略の合否判断は、購買ストーリーの合理性■ 販促戦術は、リソースとツールの最適化まとめMarketing 1.0 売り手視野による市場観マーケティングに着手する初期的な観点で、以下の基本4項目の最大化によって「市場の支持」を得る商品を上市することが目的。特に量産品や廉価商品等のマス・マーケティングでは欠かすことのできない観点です。市場の支持を得るための「4つのP」Product(製品の品質) Price(価格設定) Promotion(販売促進) Place(流通規模)Marketing 2.0 買い手視野による市場観1.0を消費者側から見た観点で、顧客満足の最大化によって「顧客の支持」を得て、継続的な購買関係を築くことが目的。ダイレクト・マーケティングの要項である、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングが重要な要素となります。顧客の支持を得るための「4つのC」Consumer(消費者属性)   Customer cost(顧客コスト) Communication(意思疎通) Convenience(利便性)Marketing 3.0 社会的視野による市場観成熟した市場においての競争を前提とした観点で、「社会価値」を付加することで消費者の選択を勝ち取ることが目的。ブランド、ポジショニング、差別化が重要な要素となり、複合的なマーケティング手法が要求されます。社会の支持を得るための「4つのC」Commodity(共創商品) Cost(総合的コスト) Communication(複合疎通) Channel(流通経路)Marketing 4.0 デジタル環境における市場観3.0を発展させデジタル社会に特化した観点で、社会的欲求、承認・尊厳、自己実現といった人の欲求を適時的に刺激することによって、購買で終わらず支援による拡販を得ることが目的。支援者(ファン)の獲得は必須事項です。デジタル社会の「購買行動プロセス」マーケティングの基本認識販促企画のメソッド1.商品コンセプトを明確にする 商品評価 対象となる商品をMarketing 1.0の基本4項目(市場の支持を得るための「4つのP」)で項目別に競争力を評価します。このプロポーションが商品の個性、つまり商品コンセプトとなります。販促企画の礎となる重要なプロセスですので、数値的な定量評価だけでなく定性評価を合わせて評価する必要があります。【評価のポイント】①他社(自社)比較による定量評価 ②付加価値等による定性評価2.市場とターゲットを把握する 市場分析 対象とする市場とターゲット層の属性を想定し、市場の中での優位性とターゲット層の支持率の現状評価を行い、商品または企業の向かうべき立ち位置を明確にします。これが販促活動の方向性になるため、曖昧にしないことが重要。またターゲティングで終わらずにポジショニングまで進めることで、戦略と戦術に実効力が生まれます。【分析のポイント】①市場のセグメンテーション   ②販促対象層のターゲティング③市場とターゲットの優位性評価 ④商品(企業)のポジショニング3.購買までの仮説を立てる 戦略策定 販促においての戦略とは、購買までの物語を描くことです。前項までで立てた方向性に沿って対象ターゲットが購買に至るまでのストーリーを想定していきます。これが販促のシナリオになるため、合理性を観点とした検討は十分に行う必要があります。シナリオができれば、後はキャスティングです。【策定のポイント】①期待する購買者・支援者像の想定 ②購買行動プロセスの具体化③購買ストーリーの設定4.ツールとリソースを選択する 戦術計画 販促においての戦術とは、登場人物の役割を設定することです。設定した購買ストーリーを実現するために、その役割(目的)に適した特性のツールを選択します。到達するタイミングを考慮し、適時性を優先して選択することで成果は大きく変わります。【計画のポイント】①購買ストーリーに沿ったツール選択 ②発信するタイミングの設定③リソースとツールのマッチング5. すすめ方のオプション 実施方法 予測困難なデジタル時代のマーケティング手法 エフェクチュエーション【実施のポイント】①手持ちのリソースを有効活用する ②許容できる損出で計画する③できるところから、できることを ④偶然の出逢いを最大限に活用する⑤日々の観測と変化への適時対応Aware(認識する)Appeal(気に入る)Ask(尋ねる)Act(行動する)Advocate(推奨する)5Idea4U vol.392018 May

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