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3Idea4U vol.352017 September国としての方向性も大きく変化「自立支援介護」へとシフトする! ポラリスとして大きな転機を迎えたのが2015年。厚労省から弊社を視察に来られた後に、社会保障費の見直しに関連して「自立支援介護」をめぐる国の動きも活発化しました。「未来投資会議」では、2016年11月に「要介護者減少に向け、自立支援に向けた取り組みの強化」として、首相自ら初めて「自立支援介護」について言及。いわば「これから介護保険はパラダイムシフトをおこします!」という宣言です。戦後始まった日本の医療保険は、だれでも等しく受けられるメリットはあるものの、急性期医療中心のため、慢性期医療がやや置き去りに。結果、リハビリ専門スタッフも、急性期リハビリの専門職のような状態です。慢性期には、急性期と同じことをやっても効果はありません。この手つかずの分野だからこそ、一石を投じたいと強く思ったそうです。 「自立支援介護」は、要介護の人が元気になるのに加え、実は医療まで踏み込める可能性があります。例えば下剤や眠剤等の薬が必要なくなると、医療費も削減。「自立支援介護」のデイサービスと、要介護の方を診察する往診専門医、かかりつけ薬剤師が提携すると、理想的な世界が作れそうです。介護ノウハウのアジア輸出からAIまで従来の「枠」を超え、可能性が広がる! これから高齢化を迎えるアジア各国が、超高齢大国であり、介護保険制度を有する日本に注目する中、日本政府としてもアジア健康構想の関連で「介護」の輸出に着目し、特に「自立支援介護」中心に取り組むことになりました。ポラリスは、企業単独型の技能実習制度を牽引すべく、ベトナムを皮切りに、以後、中国、ミャンマー、台湾でも展開予定。現地での研修実習を経て、半年後から日本で本格的な「自立支援介護」 を身に付けるという流れです。また、2019年4月には、地元宝塚に企業主導型保育園をオープン予定。医療・介護で働く女性のコミュニティを作って、地域を活性化するのが目的。保育園の上にシェアハウスをつくり、10年を限度に暮らしてもらいながら、会社で積立てて資金を作り自立を手助けするというシングルマザー対策も兼ねています。さらに、日本の大手電機メーカーと共に、介護分野でのAI(人工知能)活用施策もスタート予定。このように、未来に向けた動きが、大きなうねりとなって押し寄せています。 「自立支援介護」を日本国内はもとより国境を越えて広める、プラットフォームのような存在であるべき、とのこと。極端な話、同業他社やライバルにもノウハウは原則公開するそうです。土台を用意しても、のせるサービスが優れたものでなければ同クオリティにはならない、と自負するがゆえ。また、言葉だけが独り歩きしないよう、正しい情報を広く発信する責任もあると語る森代表。高齢者が最後まで元気に暮らし、寿命を迎えて穏やかに人生を終えるための「自立支援介護」である、という根本を忘れないことが大切でしょう。つまり、「自立支援介護」というのは、残りの人生を楽しく有意義に過ごしてもらうプロデュースにほかならないのです。(シルバーラボ/株式会社フジプラス)1まとめ■「自立支援介護」は、「こうなりたい!」という目標設定から。頑張る力を引き出すのもスタッフの使命。■要介護の高齢者の方も、歩行・リハビリによって、介護保険からの卒業が可能に。■ポラリスで築き上げてきたノウハウを、日本からまずはアジアへと広げていく。株式会社ポラリスについての詳細は、こちらでご覧いただけます。http://www.polaris.care/1森 剛士(もり つよし) 株式会社ポラリス 代表取締役 2ポラリス デイサービスセンターの一例(外観) 3-①、3-②デイサービスでのパワーリハビリ用スペース 4デイサービスでは常に水分補給を重視して近くにお茶をスタンバイ42ポラリス(北極星)はかつて旅人の道しるべだったことから、向かうべき方向を割り出す夜空の目印に、という思いを込めて。-②3-①3

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