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2Idea4U vol.342017 July義肢装具からスタートして今や暮らし全般のサポートを担う 川村義肢株式会社は、1946年に設立された川村義肢製作所が前身。社名にもある義肢装具はもちろん、補助器具、リハビリ関連、住宅改修まで、幅広く安全安心を提供し、暮らしをサポートしています。冒頭に、川村社長が「装具を売るのが仕事ですが、必要なくなったらそれでいい。解決したら、違うサポートをしていくだけ。我々の目的は、困っている方の体を楽にすることですから」と語られたのが印象的でした。ロゴマーク(資料1参照)や、従業員を「ソウルパートナー」と表現し、人として対等な立場で尊重し合う(資料2参照)姿勢が、その全てを象徴しているように思えます。 使命に掲げる「3Life」という言葉は、Q.O.L.(クオリティ・オブ・ライフ)の3つのこと。(資料4参照)「生命」「生活」「人生」という「3Life」の質を高める意味は、高齢者の方々に当てはめてもわかりやすいでしょう。ただ生きている生命レベルではなく、いかに自分でできることを維持できるか、さらに、やりがいのあることを続けられるか。たとえ不自由な箇所があっても、やりがいを感じている高齢者は、装具などの力を借りて出来ることを増やし、自ら未来を切り開いていけるのです。本人のポテンシャルを引き上げるのが使命。仕事も高い理想を持ってのぞむことが重要! 高齢者の方で、「いずれ歩けなくなる、寝たきりになる」と思っている方は少なくありません。「できること」よりも「できなくなること」に注目し、諦めてしまっている状態です。障がい者スポーツを提唱したグッドマン博士の「失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ」という考えをヒントに、Think Possibilityというフレーズを掲げるようになったそうですが、この視点は高齢者にもそのまま当てはまります。 寝たきりになってしまった方にはベッドを売ることが対処方法になりますが、出来る限り寝たきりを防ぐ、というのが基本。実際、理学療法士との連携で、寝たきりから車椅子に、車椅子から装具を付けて歩けるように、と回復した例も あります。当然ですが、介護をする側が楽だから、合理的だから、という理由で、 その方の運命が決まるような判断は避けられるべきです。人間の尊厳に関わる問題に直結しているからです。 こうした高い理想を掲げて仕事に取り組む中で、同時に、たとえいい仕事をしても会社をつぶしてしまっては意味がないのもまた事実。利益も最大限にあげて、なおかつ社会貢献度も最大限を目指して、やじろべいがちょうどいい グループロゴのKは、人を支える様子を表現したもの。支えきるのではなく、自立する力を促す意味を込めて、やや斜めに傾いているのが特徴です。【理念】ソウルパートナーとお客様のQ.O.L.向上を絶対にあきらめない【社是】一、常に研鑽し常に前進しよう一、最高の製品を提供しよう一、心のこもったサービスをつくそう一、合理化に努め利益を生みだそう一、ともにゆとりある豊かな生活を築こう・私には夢があります。世界からお客さまや同業者が集う゛世界一の会社″にすること。・私には夢があります。ソウルパートナーである 従業員の子どもたちが我が社に就職してくれること。・私には夢があります。我が社の生きざまを見て イジメや戦争がこの世から無くなること。Q.O.L.(クオリティ・オブ・ライフ)には「生命」「生活」「人生」の3つの意味があります。お客さまのこれら3つの゛Life″の質を高め、行動範囲が心身ともに拡大するようサポートすることが私たちの使命です。ミッションステートメントの中に規定され、日にちと連動して、前日に「明日の行動指針」として川村社長がブログで発信されています。詳細は http://www.kawamura-gishi.co.jp/president/【3Life】Life1「生命」 それは、「痛い」「熱い」など 生物としての感覚レベルのことLife2「生活」 それは、「食事」「睡眠」「移動」など 人間としての日常生活レベルのことLife3「人生」 それは、「就職」「社会的活動」「レジャー」など 個人としての自己実現レベルのことグループロゴ資料13Life資料431の行動指針資料53つの夢資料3理念と社是資料2 多かれ少なかれ、加齢によって体に様々な影響が出てくるのは、想像に難くありません。高齢者が急速に増加した現代日本においては、社会全体としての対応が急がれています。そこで、手助けを必要とする全ての方々に役立つモノとコトを提供する、川村義肢株式会社について、今回は特に超高齢社会の現状に寄り添う実例をご紹介します。高齢者問題をどうとらえることが「正解」となり得るのか、どうすれば高齢者にとって快適な社会を作っていけるのか、そのヒントとなる情報と共に、ビジネスとしての在り方について、経験と実績に基づいて幅広く語っていただきました。「諦めない」がキーワード発想を変えるだけで社会も変わる!高齢者の人生に寄り添うスペシャリストたち
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