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3Idea4U vol.332017 May単なる啓発活動ではないリアルな情報発信が「あした」をつくる 日頃からかかりつけの動物病院をもち、気軽に相談できる動物看護師さんの存在が、とりわけ高齢の飼い主さんにとっては重要です。というのも、信頼関係にある動物看護師さんのアドバイスで、ペットが病気の時に「もしこれで亡くしてしまったら」と心の準備をすることで、いざ亡くした時の心のダメージが軽減されるそうなのです。 冒頭でふれた、事業として動物看護師向けセミナーを開催する意味は、こういうところにも繋がってきます。 また、西澤代表は、2015年7月に開催された「第4回神戸全ての生き物のケアを考える国際会議」シンポジウムに、NPO法人動物愛護社会化推進協会の代表として登壇。犬猫の飼い主対象の調査結果から、注目ポイントを挙げておられます。「ペットとの暮らしで良い面は?」の質問に、60歳以上に限ると、上位3位は、癒される、毎日が楽しく過ごせる、自分自身の健康に役立つ(P2資料1参照)。さらに、「健康に役立つと答えた方があてはまるものは?」との質問に対しては、よく歩くようになった、が最多に(P2資料2参照)。ペットとの関係は、高齢者の実情を知るのに有効な切り口と言えるでしょう。高齢者の社会参画応援から心豊かな生活の「場」のプロデュースまで 「高齢者にとって、何らかの形で社会と関わることが大切」と言われますが、ペットを飼うことで可能になる社会参画とは何でしょう。それは例えば、小学生の通学路で犬の散歩を兼ねた見守りボランティアや、散歩途中のあいさつで地域を活性化すること。無理なくできることで地域の役割を担う意識と、世話もちゃんとしなければ、という責任感こそがキーなのです。 2015年秋から、(公社)大阪市獣医師会による「子猫リレー」という取組みがスタートし、ペピイも活動を応援しています。60才以上の方を「キトンシッターボランティア」として募集し、行政から譲渡されワクチン接種等のメディカルケアを施した子猫を、期間限定で育ててもらう活動です。(その後、子猫は最終飼い主へとバトンタッチされます)。たとえ限られた期間でも、社会に役立つ充足感も得られる、意義 ある試みとしておすすめしています。 また、2018年春にはグループ内の新事業として、ペット共生型有料老人 ホーム「ペピイ・ハッピープレイスTAMATSUKURI」の開設を予定しています。以前から、獣医師会の方に聞いていた、施設の都合で仕方なく家族同然のペットを手放した高齢者の話も、背中を押した格好です。「高齢になってもペットを飼いたいという方を幅広くサポートしていける存在でありたい」と語る西澤代表。動物をこよなく愛する心が、様々なアイデアの源だと実感しました。(シルバーラボ/不二印刷株式会社)1まとめ■ペットと暮らすことで、心と体の健康を実感する高齢者も多い。■地域のつながりという枠組みの中で、高齢者とペットの問題をとらえることが大切。■ペットと飼い主との良い関係づくりを応援する会社、という存在でありたい。株式会社ペピイについての詳細は、こちらでご覧いただけます。https://www.peppy.jp/1西澤 亮治(にしざわ りょうじ) 株式会社ペピイ 代表取締役 2ペピイ事業部で運営する通販カタログ情報誌との連動企画も実践 3-A「子猫リレー」について伝えるリーフレット3-B子猫たちは、担当獣医師から入念なメディカルチェックを受けます。 4「ペピイ・ハッピープレイスTAMATSUKURI」完成イメージ3-A243-B

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