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3Idea4U vol.322017 March在宅配食の延長線上にあるもうひとつの柱「特助くん」の可能性 先にふれた通り、現状の主力は在宅配食の「宅配クック123」ですが、もう一つの柱が「特助くん」。施設向け食材卸事業としての展開で、名前は「特養を助ける」に由来します。スタート当初は、施設内調理にこだわる高齢者施設が多かったそうですが、日本全国でスタッフ不足等による経営破たんも起きる中、業務見直しの切り口として提案した結果、採用施設も拡大していったとのこと。 つまり、スタッフ不足が深刻な中、調理済み食材を入れることで厨房にかかる人手を抑えて、高齢者の方々と向き合うスタッフを一人でも多く配置するほうが、本来あるべき姿では?という視点です。30~50名規模の施設 が抱える問題は、まさにそこだったわけです。 今後は、「宅配クック123」の在宅配食でカバーできないところを「特助くん」で補って、地域の高齢者の方々を全方位的にお手伝いしていきたいという思いがあるとのことです。ワクワクできる「場」を提供することで独居高齢者の自立支援も視野に! 現在は、シーズンごとにちぎり絵キッ トを配布し、指先を動かして完成させる楽しみを提供。ちょっと自慢げに宅配スタッフに見せて、会話も弾みます。昔懐かしい家族団らんを描いたイラストを配るのも、記憶を呼び覚まし、会話のきっかけになればという思いからです。 また、買い物代行業務に注目しています。地域密着型の強みを生かし、お弁当と共に必要なものを届けるサービス。 一人暮らしの高齢者の方々の毎日を支えたい、という思いが全てです。宅配とは逆の発想ですが、高齢者の方々が「出かけていきたい」サロンのような場の提供も急務。「宅配が便利すぎて、家に閉じ込めてしまっているのでは?と思ったのがきっかけです。日常的に集って、食事をし、カルチャー講座等で楽しめる場も必要かと」。使わなくなった集会所を借りる、「宅配クック123」加盟店やコンビニに併設するなど、展開の可能性も様々でしょう。 「地方や離島の加盟店でも通用するビジネスモデルにしたい。『食』から始めて生活全般の自立支援に役立てていけたら」。高齢者が、地域に見守られて快適に暮らせる仕組みづくりへの熱い思いが伝わってきます。その先には、一連のノウハウを生かした、海外、特にアジア進出も視野に。高齢者の方々が、明るくワクワクできる社会に近づく、そんな期待感でいっぱいになりました。(不二印刷株式会社)1まとめ■お弁当宅配という形をとりながら、地域の高齢者を見守り、支える仕組みづくりが基本。■ご近所付き合いの発想から生まれた、コミュニケーション重視の姿勢が大切。■超高齢社会における人と人とのつながりこそが、民間の活力を生み出す。株式会社シニアライフクリエイトについての詳細は、こちらでご覧いただけます。http://slc-123.co.jp/1高橋 洋(たかはし ひろし) 株式会社シニアライフクリエイト 代表取締役 2昔懐かしい記憶を思い出す家族団らんのイラスト 3高齢者向けに開発された手軽な和紙ちぎり絵キット 4宅配クック123ご利用者様向け無料会報誌「あはは」表紙(2017年3月 Vol.35) 5ちぎり絵作品をうちわにしたもの[制作・デザイン:和紙ちぎり絵しゅんこう]4532

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