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2Idea4U vol.312017 Januaryデジタル領域とアナログ領域の施策の組合せが効果的である表デジタル領域で「効果をあげた」アナログ領域で「効果をあげた」デジタルとアナログを組み合わせた施策に取り組んでいる60.8%68.2%デジタルとアナログを組み合わせた施策に取り組んでいない31.0%47.9%※2016年 日経BPコンサルティングの調査より抜粋E-mailマーケティングの限界 顧客との関係構築において、最近はデジタルによるマーケティング施策に傾倒している企業が多く見られます。デジタル施策の例として、E-mail配信やSNSでの情報発信、Web広告掲載やスマホアプリ等の配布など様々です。その中でも、E-mailは顧客との距離が近くコミュニケーションを行なうための最重要ツールですが、未だに同一内容の情報を多くの顧客に一括配信されているケースも多いようです。 人が一日に目にする広告数は約3,000件とも言われておりますが、その中で顧客に記憶される内容はほんの数件といったところです。これだけ多くの情報があるので、たとえE-mailによる発信であってもすぐに必要で無ければ開封されず未読のまま削除されます。このような事が繰り返し行われると、顧客との関係構築にも支障がでます。E-mailがコミュニケーションにおける最重要ツールと考えると、顧客から配信停止されないように工夫しなければなりません。デジタル領域とアナログ領域の連動が重要に E-mailにおける顧客との関係が断絶しないためにも、改めてE-mailでコミュニケーションするための役割を明確にしなければなりません。E-mailでアクションが少ない顧客には、ひとまず配信頻度を下げて、相手に必要と思われるコンテンツのみに絞ります。E-mailの特徴として、素早く情報発信できる、コストが比較的安価である、Webサイトに誘導しやすい等が挙げられます。裏を返せば、次のようにも考えられます。-コンテンツ内容によっては、タイミングをみて発信すべき内容もある。-コストは多少かけても、しっかり費用対効果が得られれば良い。-本当に興味ある内容であれば、Webサイト等で詳細を調べるはずである。 E-mailがこれほど普及する前までは、紙によるダイレクトメール(以下、紙DMとします)が主流でした。それも今ではコスト削減(実際には別のマーケティング費用に割り当てられている場合が多い)などにより、広告郵便などの大量利用は減っております。前述の条件を踏まえたうえで、改めて紙DMを有効に活用できるのではないでしょうか? また、マーケティング施策の中でアナログ領域(紙媒体等)における施策は減る傾向ですが、効果はデジタル領域(E-mail配信等)の施策よりも強く実感できると日経BPコンサルティング社の調査結果(下表)からも出ております。デジタル施策とアナログ施策を連動させることで、施策の効果をより実感できるとの企業が68.2%にまで及んでいます。進化する「デジタル+紙」でのマーケティング施策 某メーカーでは、紙DMとE-mailは相乗効果があると仮説を立て、展示会における集客のために2つのシナリオを作り施策実行をしました。1つは「紙DMのみ」2,000通を発信し、もう1つは「紙DMの発信+2度のE-mail配信」を各2,000通ずつ発信。求める成果としては、来場特典を明記した特設Webページに誘導し、フォームからの事前登録としました。結果として、前者では0.8%のみの誘導だったのに対し、後者では4.9%の誘導に成功しました。 他の例として、顧客管理システムを提供している企業では、ターゲットを「E-mailのみ」「紙DMのみ」「紙DM+E-mail」の3つのクラスターに分け、「E-mailのみ」でのアプローチで反応が無かった顧客が紙DMで効果が出るデータドリブンで成果を上げるデジタルマーケティングに必要とされる「デジタル+紙」のハイブリッド戦略

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