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4Idea4U vol.302016 November 話題が人から人へ伝達されることで、 対象物が認知、注目される「口コミ」。 昔からあり、その影響力は無視できないほど大きいが、近年ではSNSの登場・普及により、影響力がさらに増大している。 この「口コミ」(英語ではバズ)を使うマーケティング手法が「バズマーケティング」である。 現在、バズマーケティングとして様々なキャンペーンがSNSなどを使って行われている。その実例を見ていこう。 インパクトの大きい企画は消費者に驚きを与え、話題になりやすい。また、ツッコミを入れたくなるような奇抜な内容だと、さらに話題にされやすい。それを狙った企画が行われている。●店の近くに引っ越そう! アメリカを中心に展開するハンバーガーチェーンがフランスに進出した。地元の人に好評だが、まだまだ店舗は少ない。そこで、「家の近くに店がないなら、店の近くに引っ越そう」というキャンペーンを行った。 引っ越しの費用はこの会社が負担。同社のFacebookのページで募集して、選考で選ばれた人が店の近くに引っ越せる。 誰が応募するのか、引っ越し先での暮らしはどうなるのかといった疑問も湧くが、多くの人の話題となり大きな宣伝効果があった。●ケータイ料金、一生タダ 日本では、ある携帯電話会社が「ケータイ代一生分無料キャンペーン」を実施した。 一生分の携帯電話料金に相当する商品券(518万8,000円)を 1名に、1,000円 分商品券を1,000名にプレゼントするという企画で、「一生無料」という文句が人々の目を引いた。 一生分が“無料”になるのはたった 1人だが、かなりのインパクトがあり、15万名以上の応募があった。●豪華な通勤をプレゼント 爽やかさを売りにする、ミント風味の清涼菓子を製造販売する会社は、Twitterで新発売の商品名をつぶやいただけで、「さわやかすぎる通勤」が当たるキャンペーンを行った。 当選者は出勤時、自宅にリムジンが迎えに行き、車内で朝食を採りながら会社へ向かう。車中ではバイオリニストの生演奏が聴けて、爽快な出社を堪能できる。 同商品についてのツイートが増えたと共に、ポジティブなコメントの比率が15%も増加し、新商品の告知に役立った。 不特定多数を広く相手にする販促とは逆に、特定のファン層をターゲットにすることもマーケティングには重要な手法である。バズマーケティングにもそれは当てはまる。●発売前のiPhoneをプレゼント アップル社のファンは世界中にいて、iPhoneの新機種が発表されると発売を心待ちにする人が数多くいる。 ポーランドの携帯電話会社は、そこに目をつけた。 iPhoneの新機種は毎回アメリカで発表・発売され、ポーランド国内で発売されるのはそれから約1週間後。ポーランドのアップルファンはその間、首を長くして発売を待つことになる。 そこで、同社は発売に合せて社員をアメリカに派遣し、iPhoneの新機種を入手。すぐさまポーランドに持ち帰り1名にプレゼントすることにした。 応募方法は、面白動画の投稿で、募集期間は12時間。告知はFacebookのページで行い、動画はメッセンジャーで受け付けた。その結果、6万5,000人にリーチし、2,000人が動画を投稿した。 キャンペーンの特設サイトをつくらずにFacebookを使ったため、費用を抑えて、話題を盛り上げることができた。●アイスクリーム復活選挙 高級アイスクリーム・ブランドは、女性を中心にファンが多い。その顧客層に向けて「あのフレーバーをもう一度!フレーバー復活総選挙」という企画が行われた。 過去に発売されたが現在は生産していないフレーバーで、復活させたいものに投票するというもので、SNSで受け付けた。投票は1人1日1回に制限した。口コミで話題を集める「バズマーケティング」戦略 前編 SNSを使って効果を高める販促のネット活用術インパクトある企画で話題になるファンの心理を掻き立てる

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