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4Idea4U vol.292016 September 人々のビジュアル志向は進み、ネットの映像は見るが記事は読まないという人もいる今、YouTubeなどによる 動画のネット公開が販促でも活用され ている。 だが、動画が人々に見られるためには作り方に配慮が必要だ。その方法を、多くのユーザーが見る動画を制作して いるユーチューバーの手法を参考に考える。 ネット動画は様々なタイプがあるが、 販促でよく利用されるのは実験と紹介・ レビューであろう。 スマートフォンのアクセサリー等を販売する会社では、取扱商品の完全防水ケースにスマホを入れて海に投げ込 み、その防水性を実証した映像をYou Tubeで公開している。百聞は一見に如かずで、説得力のある映像だ。 同社は、社員がオススメの商品を紹介する動画も公開している。ここでポイントになるのは、プラスの情報ばかり話さないこと。 キャラクターの絵が入ったスマホのレザーケースを紹介する動画では、色は白とブラウンがあって、「白は汚れるので、私はブラウンを使っています」と、さりげなく「白は汚れやすい」ということも伝えている。マイナス情報も話すことで、信頼性を高めている。 内容と共に、動画の時間も重要だ。ダラダラと長く、つまらない動画は視聴者に飽きられ、別のページに移ってしまう。それ以降は検索結果に表示されても、見られなくなる。 ユーチューバーの愛場大介氏によると、経験則から「最初から最後まで再生 される動画作成のコツは、トータルで90秒」と言う。しかも、最初の10秒でユーザーを引き込むこと、つまり「つかみ」 が必要である。(『YouTubeで食べていく』光文社新書) もちろん90秒より長い動画も厳禁ではない。90秒あたりに別の動画や写真に切り替わる「転」を入れれば、視聴 者の離反を少なくできる。 ただし、動画の時間が長いとデータ 量が大きくなるため、読み込みに時間がかかる。スマホやタブレットで見る人は、回線のデータ量に影響するので敬遠される恐れがある。やはり、手短に要点を伝えることを心がけるべきだろう。 紹介・レビューなどの話が中心の動画の場合、立て板に水で話すのは難しい。しかし、台本を用意すると、棒読みになる恐れがある。 ではどうするべきか。よく使われているのが、「えー」や「あの〜」と言っている部分や、言いよどんでいるところを編集でカットする手法だ。喋りが上手くなくても、わかりやすく話す動画が作成できる。つなぎ合わせると不自然に見えるならば、間に別の画面や画像を挟むことで解消できる。 例えば、デジタルカメラの性能について話している動画がある。言いよどんだり、つっかえたりしたところは編集でカットし、スムーズな話になっている。 そして、話に合わせてデジタルカメラの商品の画像や、それで撮影した画像を入れ込む。 前述の“90秒の原則”に従って、1分30秒ほどで別の画像に切り替えるようにすれば、視聴者が飽きない動画になる。 また、動画では画面にテロップを表 示できるので、強調したいことがある時や説明が必要な場合、撮り直さなくても文字で補足できる。 撮影、編集をしたら、次はYouTubeに アップロードすることになる。その際、タイトルが必要だ。 YouTubeのトップ画面に動画のサム ネイルが表示されると、タイトルは30文 字まで表示される。Googleの検索結果に表示されるタイトルは全角32文字までだ。 これに収まるように、さらに検索でヒットしたときに見たくなるようなタイトルにしなければならない。もちろん、SNSをどう使えば販促に役立つか第2回 ユーチューバーに学ぶ動画活用法実践メディア活用動画時間“90秒の原則”説得力があり信頼される内容編集とテロップでわかりやすく関心を引くタイトルとサムネイル
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