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2Idea4U vol.272016 May株式会社モリサワは、大阪市浪速区に本社を置き、プロ向けのフォントをはじめ、インバウンド対策向けのクラウドサービス、電子書籍関連技術の他に、デジタル印刷機に関わる可変印刷ソフトを開発・販売しているメーカーです。「文字を通じて社会に貢献する」という経営理念のとおり、フォントやソフトウェアを開発する技術力を強みとしつつ、近年では顧客のビジネス課題を解決するソリューション提案を積極的に進めています。同社は、年に数回の展示会出展と自社主催のセミナー開催をされています。これらのイベントは主にマーケティング部門が企画し、その場で獲得した名刺(顧客情報)を営業部門に引き渡す流れが確立されつつありました。しかし、顧客対応はあくまで営業部門で従来どおり行なわれ、マーケティング部門は単に名刺を引き渡すだけでした。その現状を打開するために、メディアビジネスの可能性「市場をソウゾウ(想像/創造)する」を追求するべく施策と仮説を次のように立てました。①DMはEメールより数倍効果がある②DMとEメールは相乗効果がある③最近流行りのマーケティングオートメーションは、可変印刷に似ている④市場をソウゾウするためには、マーケティング施策の組み立て知識が必要とされてくるDMとEメールの関係性は、今でも「機能の違い」を挙げられることが多く、どちらかに偏る傾向がありました。ただ、顧客との関係性を重視するエンゲージメントマーケティングを考慮すると、近年国内でも導入が進みつつあるマーケティングオートメーションは同社の可変印刷のニーズと一致しており融合性も高いものでした。これらを踏まえて、マーケティング活動をブラッシュアップしながら継続的に行なうため、数名でのプロジェクトとして取り組みはじめました。先述の仮説検証のため、同社はマーケティングオートメーションでは数多くの実績があるMarketoを早々に導入されました。Marketoを選んだ理由としては、全世界で4,300社以上に既に導入されており、特にBtoBでは金融、不動産、医療、製造業などの成功事例が豊富にそろっていた点や、導入支援パートナーの不二印刷が行なっているマーケティング情報の活動「Idea4U」での取り組みにおいて、既にMarketoを導入して活性化させている実績が決め手となったようです。同社は、今回のMarketo導入に際して、二ヶ月後に行なわれる展示会の増客を目的としました。そのためには、イベントに確実に足を運んでいただくために、情報が確実に行き着くための情報配信のシナリオ整理と来場時の特典を明確にしました。情報配信については、2つのシナリオを作って実行しました。〔シナリオA:2,000通〕従来からお付き合いのある顧客に対しては営業に手配りツールを渡し、Webへの誘導を促しました。また、手配りできないエリアには、DM形式にして郵送しました。〔シナリオB:2,000通〕営業に引き渡していないリード顧客(半年前のイベントにて獲得した名刺リスト)がフォローの無いまま眠っていたので、紙のDMを郵送し、2度のタイミングに分けてEメール配信をしました。シナリオAと同様、こちらもWebへの誘導をしました。誘導先のWebページ(ランディング+事前登録フォーム)はMarketoの機能を使って用意しました。手渡しやDMでの紙から辿ってきた顧客は、到達+フォーム入力でタギング(Webフォームの送信やEメール内のリンククリックにより、顧客の情報と行動を紐付けること)され、またEメールからリンクで辿ってきた顧客は、到達した時点でタギングされます。タギングされた顧客は、以降Webサイトに誘導や訪問する度に、行動履歴がログとして残ります。ログを蓄積することで、今後の様々なマーケティング施策を打つ際に役に立ちます。これらのシナリオを実行するにあたって一番苦労した点は、リストが整理された状態では保管されておらず施策の実行が直ぐには出来なかったことです。今回、Marketoを使ってEメール配信を行ないましたが、まずはリストをインイベント集客におけるデジタルマーケティング取り組み事例デジタルマーケティングの効果を仮説検証Marketo(マルケト)を有効活用した取り組み紙とWebのインタラクティブメディア戦略

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