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2Idea4U vol.262016 March 昨今CRMが注目されているが、アメリカをはじめ海外では日本以上に進化しており、見習うべきものが多い。新規顧客獲得のためのDMなどで個人情報の規制が厳しい日本では、海外の手法をそのまま活用できないものもあるが、工夫次第で応用できる手法は多い。最近筆者が訪問した海外企業の中から、日本にも応用できる事例を紹介する。 海外企業がCRMに成功している要素は2つある。『トリガーマーケティングの徹底』とそれを実践できる『テクノロジーの導入』だ。この2要素により、複雑なCRM が『ほぼ自動化』できている。 トリガーマーケティングとは、拳銃の引き金(トリガー)を引くと弾が出るように、顧客がある動作(行動)をしたら告知という弾が出るようにするマーケティング手法のこと。日本でも導入企業はあるが、海外企業はより徹底している。 もう1つの要素はテクノロジーだ。何十万人という顧客の行動を個別に管理するにはアナログ方式では不可能であり、顧客の行動を自動検知し、引き金も自動的に引くテクノロジーが必要である。この2つにより『ほぼ自動化』が成立する。 トリガーマーケティングの先進例を紹介しよう。注文住宅販売会社Rは、モデルハウスに訪れた見込客の刈り取りに苦労していた。従来の営業手法は、モデルハウスに来た顧客に個人情報を記載してもらい、営業社員が後日アウトバウンド(電話でフォロー)して住宅購入を薦めるというやり方だった。その後、R社は営業手法を4ステップのトリガーマーケティングに変更することで、大きな成果を上げられるようになった。 その仕組みは図の通りだ。見込み客に対して最大3通のDMを出すことになる が、ステップ毎にDMを出すか出さないか はトリガー(顧客の動作や行動)に基づいて判断している。 住宅は高額商品で、条件が合えば短期間で購入が決まる場合があるが、購入の意思がない人に多額のDMコストをかけ続けられるほど利幅に余裕があるわけでない。無駄なコストをかけず、紙と電話のクロスコミュニケーションを実践できるというのがこの仕組みの利点だ。STEP 1:サンキューDM STEP 1 のトリガーは、モデルハウスで見込客が残した個人情報。この情報をもとに、来場者全員にサンキューDMを発送。DMには担当営業の顔写真や、営業担当が入力したメッセージを掲載。STEP 2:リマインドDM トリガーは、サンキューDM に対して「反応ナシ」という見込客の行動。反応しなかった見込客全員にリマインドDMを送付。サンキューDMに問合せがあった人は、モデルハウス来場者全員一週間以内営業担当の顔写真とコメント入りSTEP 1 サンキューDMキッチンが素敵だわ!庭が広いのがいいね!近くに公園もあるのよ。ご来場ありがとうございました。担当の 不二太郎 です。家族にぬくもりがある家STEP 1反応ナシ1ヵ月後来場時に気に入った部分(嗜好)の画像STEP 2 リマインドDMあなたに今だけキャッシュバックキャンペーン実施中!!100万円「検討中」と答えた人1週間以内最終意思確認 ⇒反応ナシで接触中止STEP 4 オファーDMSTEP 2全員1週間後購入意欲の確認STEP 3 アウトバウンド図 新規客を獲得するための注文住宅販売会社Rの「トリガーマーケティング」例。サンキューDM、リマインドDM、アウトバウンド、オファーDM を実施するかどうは各ステップ毎に「トリガー」(顧客の行動)で判断。海外に見るCRM の成功モデルトリガーマーケティングの成功例海外のCRM事情ー日本にも応用できる手法『トリガーマーケティング』商売繁盛の秘訣
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