4Idea4U vol.242015 November ネットで映像の配信が簡単にできるようになり、ビジネスの世界に大きな変化をもたらしつつあります。この変化は教育の世界にも及んでいます。 決められた時間に教室に集まって、講義を受けることが当たり前の教育。しかしいま、動画配信によって、いつでもどこでも講義が受けられるようになりました。このeラーニングにより、受講生はもちろん、主催者も利益を得られるようになっています。MBA MBA(Master of Business Administration 経営学修士)は、経営のプロと呼ばれるもので、取得を目指すビジネスマンが増加しています。 日本でも取得できる大学院が増えていますが、授業料は2年間で数百万円かかるところもあります。本場のアメリカの大学院で取得するためには、留学しなければならず、ビジネスマンは二の足を踏むところ。 そこで、ネット受講できる大学院が人気なのです。これにより、日本にいながらアメリカのMBAを取得できます。 アメリカの大学ではeラーニングが普及し始めていて、MBA に限らず、ネット受講で単位を認める大学もあります。大学受験予備校 予備校も大教室で講師が話すスタイルが一般的でしたが、受講生の数は教室の座席数によって制限されます。早口で話す講師の授業では、録音をしていないと、受講生は聞き逃した時わからなくなってしまいます。 有能な講師がいる予備校は大都市に多く、地方の受験生は受講が難しい。地方都市に教室を設置し、衛星を利用して講義を配信すると、多くの費用がかかります。 あるネット予備校が、高校生向けに動画による講義を開設しました。これで、受験生は休みの日、学校・部活の後、寝る前など、いつでも自分の都合に合わせて見られます。聞き逃したところ、わからないところは何度でも再生できます。 ネット環境があればどこでも見られるので、離島や山間部などの受験生も、東京の受験生と同じ講義を受けられます。 予備校は、座席数に関係なく受講生を集められるので、受講料を安く押さえることもできます。資格試験予備校 司法試験や司法書士、行政書士などの法律の資格を中心とした講義を行っている資格学校の受講生は、学生だけでなく、社会人も多くいます。彼らは会社で残業があると講座に遅刻せざるをえません。受講できなかった講義は後日ビデオを見るのですが、そのために学校へ行かなければならず、これも面倒でした。 地方の教室では、東京から届く講義のDVDを見ていました。これだと、勉強のペースは東京の受講生より遅くなってしまいます。 同校が講義のネット配信を始めたところ、社会人は仕事に左右されず受講でき、地方受講生も東京とほぼ同じペースで勉強できるようになりました。 また、学校は地方に広い教室を用意する必要がなくなり、運営費用のコストダウンになりました。英会話レッスン ブラジルの英語学校はネットを使ったレッスンを開いています。先生はシカゴの老人ホームにいるお年寄りで、パソコンを使って会話をします。彼らは教えるというより、話を聞いてほしいという気持 ちが強いようです。 アメリカとブラジル、言葉も文化も年齢も違うので、初めは話が合わないこともありますが、会話が進むにつれて、互いの理解がすすみ、親子や祖父母と孫のような関係になっていきます。eラーニングを使えば、大教室に大勢の受講生を集めなくても、講義を開講できる。すでに始まっているeラーニングの実例時間と距離をなくすeラーニング受講生だけでなく、主催者にも利益ビジネスの動画活用術
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