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8Idea4U vol.192015 JANUARY■売れない文庫本フェア 札幌市琴似の書店は63年間、まちの本屋として営業を続けてきたが、地下鉄の延伸などの影響で1999年頃から売り上げが大幅に落ち込み、閉店の危機に見舞われた。 起死回生のために店主が考えたのは、「他の店でやらないことをする」ということ。そこで、ベストセラーを並べる大型書店とは逆に、売れ行きの悪い文庫本ばかり集めた「なぜだ!?売れない文庫フェア」を開催した。 国語の教科書に載っているような名作文学でも、売れないために書店の本棚に置かれない作品は多い。もちろん本当につまらなくて売れない本もある。 フェアはそのような名作に触れ、駄作を自分の目で確かめる珍しい機会となった。 新聞やテレビで紹介されると本好きな人が集まり、集めた1500点が1カ月も経たずに完売した。今では毎年開催されて、店の名物企画になっている。■スーパーで曲がった野菜を販売 フランスの大手スーパーでは、曲がって不格好な形の野菜を店頭に並べた。値段は通常の30%OFF。 普段これらの野菜は規格外のため廃棄処分されているが、味も栄養も変わらないのに、形が悪いだけで捨てられるのはもったいないと考えて、このスーパーでは販売した。 ところが、客の反応は悪く、買う人は少ない。そこで、店ではこれらの野菜でスープとジュースを作って、試食を勧めた。百聞は一見に如かず。実際に食べてみて、味に全く問題がないとわかると、不格好野菜を手に取る人が急増。 普段の3割安いこともあって、すぐに売り切れた。プロモーション■忍者女子高生が話題に 2014年7月、YouTubeで公開されると、ブログやFacebookで「すごい」「レベル高すぎる」と話題になった動画があった。 熱海で撮影されたもので、最初は高校の教室内で2人の女子生徒がスマホで撮影しようと遊んでいるが、1人が撮られたくなくて逃げ出す。追いかけるもう一人の生徒。教室を抜け出し、屋上に逃げる。追跡劇はエスカレートし、校庭に飛び降り、街を駆け抜ける。途中、宙返り、バク転を繰り返し、忍者のようだ。追走は、熱海城の屋根に飛び乗り、最後は海岸で捕まって終わる。そして、 追いかけてきた生徒が、背負っていたデイパックから炭酸飲料水を取り出し、 “忍者女子高生”に手渡して終わる。 実はこの映像、スタントマンを使って撮影した、炭酸飲料水をPRするための作品である。完成度が高い上に、3分30秒 程度の飽きない長さで、約1カ月半で590万回も再生された。■消去されたハネムーンの映像 YouTubeで投稿者が削除した動画は、クリックすると「この動画は投稿した人によって削除されました」と表示される。それを利用した作品が話題になった。 タイトルは「OUR HONEYMOON KATE&TOMMY」で、新婚夫婦のハネムーンの思い出を収めた映像のようだ。 ところが、クリックすると「この動画は投稿した人によって削除されました」の文字。映像はない。そして、「離婚はよくあることです」との文字が表示され、弁護士事務所の連絡先が出てくる。 この動画は、アメリカの離婚問題などを扱う弁護士事務所のPRであった。意表を突く作品は見た人の印象に残ることだろう。集客・販促ヒント100選!!不人気の本、曲がった野菜欠点をセールスポイントに予想外の展開で注目されるネット動画を使ったPR作戦売れない文庫フェアなぜだ!?

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