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5Idea4U vol.192015 JANUARY商売繁盛の秘訣ディーラーとして有名です。「売上高はおろか、より肝心な客数も増加しているのです。来店客は本店だけを見ても平日100人以上、週末300~500人、年間ではなんと10万人を超えるそうです。そのことを裏づけるように、売上高も業界では珍しい右肩上がりです。」 その秘密はどこにあるのか。 同社の会長は「『私たちは車を売ることを目的としてはいません。より大切なことは、社員が幸せに働ける会社をつくることです。そうすればお客様にとっても、自然に満足度の高い会社になるのです。仕事や職場にやりがいを感じ、所属する組織に誇りと喜びを感じている社員は、お客様に心から喜んでもらえるサービスを提供しようと考え、行動するのは自然だからです。』と語ってくれました。」(『日本で一番大切にしたい会社2』p198あさ出版刊) ホームページに社員のコメントが出ています。 「入社当時の私は失敗の連続で、今の自分の営業としての基礎は失敗から得た事の積み重ねだと思います。『まず、やってみる。やればわかる。』そんな感じでしたね。」 そして次に続きます。 「同じ失敗でも3回までならOK(笑) 失敗して初めてお客様や他人の気持ちが判る。人の気持ちが判ることで、お客様の傍に立てる。」 3回も失敗を許してくれる会社ってすごい。この会社が社員の育成を大切にしていることがよくわかります。 次はイベント、やはり同社のホームページからです。「4年に1回、まるでオリンピックのようにやってくるネッツ南国のよさこい祭り。祭りとなると血が騒ぐのがネッツ南国社員たち。…仕事も遊びも、自分たちで考えて自分たちで創り上げるから楽しい!」 現場が生き生きとしています。表情がまず明るい。社員を大切にすることがいかに大切か良くわかります。 最後にもう一つ、消費増税に対して「顧客目線」で取り組んでいる事例です。 やはり私の住んでいる千葉県松戸市常盤平の駅そばのスーパーマーケット「トップ」です。 レジの前にある表示カードには、「端数が足りない時の1円玉ご利用サービス」と書かれています。財布の中に1円出玉が足りないとき、こちらで用意した1円玉を4円まで使ってよいですよ」というサービスです。 例えば3円の端数が出れば、このケースから3円をとって支払えばよい。消費税が8%になって税抜き価格での表示が主流になり、支払いは端数が出るようになりました。その対策としてのサービスです。 実は、この仕組みは他のチェーン店が始めたものです。良いことは取り入れて、活用することも大切です。 結局、「相手目線」「顧客目線」そして、「従業員を大切にすること」です。これは消費増税に関する対策だけではありません。経営の原点です。今回のピンチこそ、「ピンチをチャンスに変える」チャンスですね。平松 徹(株式会社ソフィア 代表取締役/中小企業診断士・社会保険労務士・行政書士・品質ISO主任審査員・環境ISO主任審査員)まとめ■消費増税の中で売上を伸ばすためのキーワードは「顧客目線」と「社員第一主義」である。■税込価格を大きく表示するという細かいことでも、顧客目線に立った経営はお客さんの支持を集める。■大切にされている従業員は、お客さんの喜ぶサービスを提供しようと考えるようになる。同じ失敗でも3回までならOKスーパーの「1円玉ご利用サービス」レジでの「1円玉サービス」。支払時に小銭が足らない時、4円までならここから支払うことができる。

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