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4Idea4U vol.192015 JANUARY 消費税8%は国民にとって試練です。しかし、税収が支出の半分しかない財政の状況からは、乗り越えないといけないことでもあります。 今回の試練を逆に成長のチャンスととらえることが大切です。 今回、消費税アップを表に出したキャンペーンは禁止されています。販売促進策として、消費税アップを表に出しての販促キャンペーンらしきものは、そのため、さっぱり見かけません。 しかし、それぞれの会社で価格が上がることに対してのそれを跳ね返す取り組み、従業員一人ひとり創意工夫の取り組みなどが実施されています。 例えば、私の家の近くにあるドラッグストア「くすりの福太郎」常盤平店です。 この店は「税込み表示が大きい」。店員さんに聞くと、お客さんのことを考えたら、税込み価格を大きく書いた方が良いと思い、外に出している商品はそのように表示しているとのこと。 「私たちも他の店で買うことがありますが、この方が良いと思いました。」と答えていただきました。「くすりの福太郎」はチェーン店ですが、他の店は本体価格メインが多いそうです。 近くのライバル店(有名な上場チェーン店)では、税抜の金額が大きく表示されています。この表示の方がドラッグストアとしては普通です。レジで105円を支払うことになりますが、表示が小さくてわかりづらい。 「くすりの福太郎」常盤平店の表示について、お客さんの評判は、なかなか良いとのことでした。 ドラッグストアで重要なことは価格ではないかもしれません。大切なのは「顧客目線」です。 今回の消費増税への乗り切り対策で大切なのは、従業員満足、顧客満足の原点に戻ることです。消費税率アップを表に出した直接的な販売促進策が禁止されている以上、経営の原点として本家本元に戻ることが急務です。 「日本で一番大切にしたい会社」という法政大学大学院の坂本光司教授の有名なシリーズ本があります。そこには次のように書かれています。「社員を大切にする会社が本当に発展する」。 「私は過去およそ40年以上にわたって、全国各地の約7000社以上の企業を訪問調査してきました。その結果、好不況にほとんど関わりなく好業績を持続している企業が、全体の10%程度存在していることがわかりました。 そして、それらの企業の経営を徹底的に調べてみると、共通する考え方が例外なく実践されていたのです。その最たる共通項が、『社員第一主義経営』でした。」 そして驚くべき次の指摘。 「このことを錦の御旗に掲げ、愚直一途に『社員第一主義経営』を貫いている企業で、おかしくなった企業は、大げさに言えば歴史上存在しなかったのです。」(『日本で一番大切にしたい会社4p19あさ出版刊) 社員を本当に大切にしている企業は必ず発展するということです。 次に『日本で一番大切にしたい会社2』の中から、ネッツトヨタ南国をご紹介します。 同社は、かつてない自動車不況のなかでも、売上高や客数が下がらないカー商売繁盛の秘訣近くの競合店は、税抜価格を大きく表示。支払時に105円 が必要とわかりにくい。税込価格を大きく表示。支払時にいくら必要かわかりやすい。顧客目線と従業員を大切にすることで消費増税のピンチをチャンスに変える!!直截的な販促ができない経営の原点に戻るわかりやすい総額表示のドラッグストア相手目線で継続的に発展する

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