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6Idea4U vol.132014 JANUARY 一度購入すると次の購入まで数年はかかる自動車。そのためカーディーラーには顧客獲得のみならず、関係を維持する対策が必要になります。前回はそのためのアイデアをご紹介しました。今回はさらに視点を変えた顧客獲得方法と、利益を生み出すアイデアをご提案します。 ディーラーによっては、2階にサロンがある店を見かけることがありますが、そのスペースは有効活用されているでしょうか? ディーラーに来店されるお客様の目的は、もちろんクルマをご覧になることですが、他にも関心事はあるはずです。その方の趣味や趣向と関係なく、ビジネスに関することなどは、知りたいと思うことが多いはずです。 特に高級車のディーラーの場合、顧客層は会社経営者やビジネスマンなどで、この方たちの関心に応えるためにサロンを活用するべきでしょう。たとえば、スマートフォンやタブレット端末を使ったネット活用術、ビジネスに役立つマーケティングの基礎知識など、講習会やワークショップを開催したら、来店していただける可能性が高まります。その機会に新車の情報を提供したり、クルマについての相談に応じたりすることもできます。 顧客でない方も参加して、集いの場として使っていただければ、彼らは将来の見込み顧客として、成約につなげることも期待できます。 通常、ディーラーのショールームには、クルマが並べて展示されています。ところが、クルマを置いていないというショールームがあります。 店内には机とソファが置いてあり、雑誌や本が用意されています。雑誌は自動車雑誌もありますが、それ以外の分野の雑誌も豊富に揃っています。また、パソコンも置いてあり、ネットも無料で利用することができます。低料金で利用できるコーヒーやアイスのサービスもあり、お客様はそこで自由に過ごすことができます。 このようにほぼ無料でくつろげるスペースですから、クルマに関する用事がなくても気軽に立ち寄る人も多いそうです。 お客様は気軽に訪れることができ、店員と関係が深まり、そこから販売に結びついています。中には、お客様と店員がクルマ以外の話しをして、それが商談へつながることもあります。 ディーラーでは自動車の販売以外にも、オイルやタイヤ交換などのメンテナンスを扱っています。しかし、ディーラーを利用するのは自動車を購入するときだけで、オイル交換は他のガソリンスタンドを利用しているお客様が、次にクルマを購入するときは別のディーラーを利用する可能性が高いです。 その流れを止めるために、購入後もディーラーへ来ていただく対策が必要となります。そこで考えられるのは、ガソリンスタンドより安くオイル交換できるようにすることです。たとえば、料金はオイルの代金だけで、交換の工賃は無料にします。同じオイル交換なら安い方がいいので、お客様はディーラーへ来店するようになるでしょう。 ディーラーにとっては、オイル交換と同時にクルマの状態をチェックできます。買い替えの時が近づいていると感じたら、お客様へいち早くアプローチすることができます。 確かに、これだとオイル交換については赤字になります。しかし、オイル交換を通して顧客との良好な関係を維持できますから、それは一種の広告宣伝費と考えるとよいのではないでしょうか。アイデアBANK カーディーラー編・後編ディーラー2階の活用術クルマを1台も置かないショールーム顧客を呼び込み、関係を維持して、新たな利益を生み出すためのアイデア集オイル交換はオイル代だけ

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