5Idea4U vol.132014 JANUARYまとめ販売促進最前線 分析結果より、ターゲットが最も多い黄色のエリアに販促することを決めた(図2・エリア選定MAP)。③販促媒体の決定 ターゲットの多いエリアは選定できたが、ターゲットは集合住宅に住んでいると想定できるため、販促物は集合住宅のみに配布をしたい。ただし集合住宅はオートロックになっていることが多く、投げ込みのチラシは到達しない可能性が高い。よって告知媒体は到達率の高いタウンプラス(日本郵便)を活用することとした。 よって、GISで選定されたエリアの中の集合住宅のみにタウンプラスを配布することとした。④ターゲットに伝わる 告知コンセプトの検討 販促物の形状は、投げ込みのチラシと勘違いされないこと、開封する楽しみを与えることの2点からV型圧着はがきを採用した。 また、ターゲットが販促物を見て「これは自分のためだ」と思わせる必要がある。そのためキャンペーンタイトルに「一人暮らし」という表現をストレートに入れることにした。 また、購買データから、ターゲットが購入しているものは乾燥食品(カップラーメン他)、酒(ビール他)が最も顕著に傾向がみられるため、メイン訴求の商品として扱う。 このことから以下の内容を訴求することにした。タイトル:ひとり暮らし応援フェア!サブタイトル:もちろんひとり暮らし ではない方も歓迎メイン訴求:カップラーメンが安い! 例:A社(みそ・しょうゆ) 120円→98円!特 典:タウンプラス持参で ポイント2倍 →新規入会者も既存会員も 両方対象その他:夜21時までやっている ことを強く訴求。 キャンペーン期間の反応は上々で、タウンプラス持参客の約40%が新規客であった。 今回の販促コストを考えると獲得した収益はそれほど大きくはなかったが、今回獲得した新規客は今後2回目来店が期待できることと、また、こちらからEメールやDMで直接告知ができることを考えると効果があったと課長は判断した。 「データからターゲットを抽出し、ターゲットに何の媒体が向いているか、そしてデータからそのターゲットに何を訴求したら購入可能性があがるか…販促の基本的なやり方を再認識させられました。」 課長は反省とともに、同様の傾向のある他店舗に対して、この販促手法を横展開することを考えていた。※「集合住宅」という条件も加味することを検討したが、この店舗周辺1km以内は集合住宅比率で偏ったエリアがなかったため分析対象から省略した。兼松 祐二(兼松経営戦略事務所 代表)■購買データ分析からターゲットをプロファイルし、エリア選定と告知コンセプトに活用。■1人暮らしを狙った告知は、タウンプラスのマンションのみ配布が有効。■告知コンセプトは、プロファイルしたターゲットに伝わるような表現が重要。図2:エリア選定MAP販促の結果新たな顧客を獲得
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