Idea4U vol.722025 Winter9 レジリエンスは、トレーニングによって高めることができるのが特徴です。仕事が全て順風満帆というのは、あり得ませんので、だれもが備えておくべき力ですね。困難な状況でも現実を受け入れ、自らの力で回復・適応し、学びを得て成長していく能力、とも言えます。カレン・ライビッチ(Karen Reivich)博士によると、個人のレジリエンス向上に必要な、「レジリエンス・コンピテンシー」と呼ばれる6つの要素はこうです。 続いてワークショップⅡの目的は、困難に直面した時のストレスの原因を把握し、逆境を乗り越えるためのスキル獲得が中心です。ストレス管理能力によってパフォーマンスが安定し、どんな時でも冷静に行動できるよう促すものです。 例えば下記の❶〜❹の手順で実施します。■ 「想定外が当たり前」となった今、「乗り越える力」を鍛えることが何より重要。■ マインドセット管理とレジリエンス向上は、同時進行で取り組むと効果が高まる。■ 小さな努力を積み重ねて継続すれば、個々の成果から組織へと効果が広がる。事前アンケート等で、資料2の1〜6のどの項目に苦手意識があるか等、個人のストレス要因を特定。ストレス反応が、自身の仕事のパフォーマンスにどう影響するのかを考えてみる。簡単なフィジカルエクササイズを試して、短時間でもリフレッシュすることの大切さを体感。可能ならば、呼吸法や瞑想等も取り入れる。グループディスカッションの実施 テーマは「架空の危機的トラブル」 制限時間内(※あまり長く設定しない)に解決策を考え、結果を共有。「自分はこのような人間だ」と理解すること。逆境で自分自身を冷静に分析できる能力。自身の欲求・願望・思考・行動をコントロールする力。 ストレス下でも衝動的に行動しない。冷静に見つめ、大局的・多面的にとらえ考える力。 こだわりを捨て本質を考える。未来は今よりも良くなると信じる力。窮地に陥っても諦めず「自分を成長させるチャンスだ」ととらえる。自分にはできると信じる力。困難に直面した時に確信を持って行動できる能力は、成功体験によって増す。家族や友人、同僚など、他者との関係。「支えてもらっている」と感じられる精神的安心感が大切。各チームにフィードバックを行い、とらえ方や対処のポイントを共有。その日からでも実践できるレジリエンス強化プランをすぐに策定。❶ 個々のストレス トリガーの把握2自制心6人とのつながり1自己認識5自己効力感 リーダー層にとっては、率いるチームのメンバーに与える影響も大きいため、特に重視すべき要素です。レジリエンスの高さが不可欠な理由は、6つの要素のポイントから見ても明快です。その重要性を具体的に示すと右記資料2の通りです。3精神的柔軟性❷実践的ストレス解消法4楽観性資料2レジリエンス1自己認識2自制心3 精神的 柔軟性4楽観性5 自己 効力感6 人との つながり❸ ビジネスシーンでの 危機シナリオ・シミュレーション❹ フィードバックと 今後の行動計画参考Carol Dweck博士(著) マインドセット「やればできる!」の研究 原題/ Mindset:The New Psychology of SuccessKaren Reivich博士(著) レジリエンスの教科書 逆境をはね返す世界最強トレーニング 原題/The Resilience Factorまとめ注目すべきはこの2つ!【その2】レジリエンス実践!ワークショップ入門編Ⅱ逆境に負けないためのレジリエンス向上を目指す[終わりに] いきなり完璧を目指さなくても、まずは自分の思考のクセを把握できれば大きな進歩です。それを元に、壁にぶつかった時の対処法(思考法の調整のようなもの)を考え準備できる、と考えると前向きな気持ちになれますよね?ワークショップで得た知見の活かしどころです。手始めに、職場のメンバーとワークショップを実施し、体感すべき理由はそこでしょう。グループディスカッションや、メンバーからのフィードバックを通じ、他者視点から得る気付きの価値は大きく、継続することで、行動変化につながります。実務を通じて学びを深化させ、意識を高めることで、個々のメンバーが変わるだけでなく、組織全体に波及することも付け加えておきましょう。小さなことでも、従来とは違う取り組みを積み重ねるうちに、大きな変化につながりますので、マインドセット管理とレジリエンス向上は、並行して取り組むことが重要です。何が起きても諦めず立ち向かっていける思考法を鍛えておけば、必ずや、メンバーと連携して乗り越える力を獲得できるはずです。(株式会社フジプラス)
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