「アクティブシニア」ホントのところ

2018年12月26日

vol.1
シニア×洋服

※写真はイメージです

シニアのファッションってどんなイメージ?

皆さん、最近こんなふうに思ったことはありませんか?
なんとなく、シニア世代の方々が若々しくおしゃれになってるような気がする、と。
もちろん個人差はありますが、雇用延長の影響や意識の変化等もあって、シニアは実年齢より5~10歳若い感覚で過ごしているとも言われています。当人も周りも、「60代なんて、まだまだ若いよ」という認識が主流ですよね。そんな流れの中で、2017年12月には、初の60代女性向けファッション誌が発刊される等、シニアのファッションマーケットもホットになってきています。しかも、無理な若作りではなく、年齢なりの「自分らしさ」に沿った自然体を目指すのが、最近の傾向と言えそうです。

シニアのファッショントレンドも同時進行化?

私自身、シルバーラボに携わり始めてから、街中でもついシニア世代に目が行きます。やはり、流行の伝播スピードがどんどん加速しているのは確実でしょう。かつては、若い世代とシニア世代の間で、流行スタイルの同時進行は見受けられなかったのですが、最近では時差が縮まり、早い段階で「トレンド」を着こなすおしゃれシニアを目にする機会が増えました。それもそのはず!若い人はこのお店、シニア世代はこのお店、と買うお店が完全に分離していたのは過去の話。今では、ファストファッションのお店では、カジュアル系、ファッショナブル系いずれにおいても、あらゆる世代の方が買い物している姿を目にしますよね。これは、シニア世代の洋服の買い方として、ここ数年で見られるようになった大きな変化でしょう。

とは言え、これは一つの事例ですので、もっと掘り下げる必要があります。個別にシニア世代の方にお話を伺うと、想像以上に「それは知らなかった!」という話がポンポン飛び出します。その中から、いくつかご紹介しておきましょう。

おしゃれはしたいけど「迷子」状態!

シニア女性に、ファッションに関する本音を探るためにじっくりお話を伺うと、おしゃれに関して何らかコンプレックスを抱えておられることが多く、妥協して服を選んでいる方も少なくありません。「流行の服を着こなして、実年齢より10歳以上若く見られたい」「無理して若い服を着てるおばあちゃんって思われるのは嫌」「昔の感覚で服を選ぶとしっくりこない。似合う服がわからなくて困ってる」「自分ではまだまだシニアだと思ってないのにシニア扱いされるのが本当は嫌」(申し訳ありません!)「そもそも自分はまだシニアだと思っていない」(70代の方の例)等と答えつつも、最後は、「自分でもわかってはいるんですが、素直に受け入れられないんです」とおっしゃいます。ただ、どうも気持ち的にしっくりきていない、ということです。

「どうありたい」「どう見られたいか」で揺れる心

当然、加齢と共に体型も変化するのは致し方のないこと。ただ、本人が自覚して心の中でひそかに思っていることであっても、人から指摘されるのは快いものではありません。ですから、服を買いに出かけ試着室の鏡で見て、「あ、やっぱりこのスカート丈はもう似合わない」と思った時に、心を察し、さっと別のアイテムを選んで持ってきてアドバイスしてくれる店員さんを信頼するのです。自分が着たいものを着ればいいと思いつつ、できれば本当に似合うものを着たいのが本音です。自分ではわからなかったことをズバッと解決してもらった記憶は、感動体験として印象に残るもの。それこそ、シニアは義理堅い方が多いので、一度ファンになった店員さんのいるお店にはせっせと通います。会話を交わせる行きつけのお店を持つことが、理想の洋服との出会いにつながる!と実感する事例です。

シニアにこそ、おしゃれゴコロは大切!

個人差はあるものの、一般的に特に女性は特に、「おしゃれ」が気持ちに与える影響は少なくありません。洋服しかり、お化粧やヘアケアしかりです。とある仕事をきっかけに知り合った、神戸の私立大学でシニアファションについて幅広く研究されているエキスパートの先生がいらっしゃいます。何度か研究室を訪問し、研究活動の一端をうかがい知る機会にも恵まれました。常に行動ありきで、同じ女性として刺激を受けているその先生は、長年にわたり一般のシニアの方々が自らテーマに合わせて着飾ってステージに立つファッションショーも手掛けておられます。参加者の皆さんは、出演をきっかけに自信が持てるようになると、気持ちもどんどん若く元気になっていかれるそうです。おしゃれを楽しむことが、生きる力にもなるという証明のようなお話です。

シニアマーケティングってだれのため?

こうしたお話を聞くにつけ、今世の中にあふれかえっている「シニアマーケティング」という言葉を、正しくとらえていくことの重要性を思います。シニアの方々が本当に求めているものを、「もしかしてこういうことですか?」という姿勢が大前提です。決して、「はい、これでいいですよね」という押し売りではなく。納得感があってはじめて、「ではこういうものがありますのでどうですか?」という立ち位置にたどりつくのです。そうして様々な商品やサービスとの出会いを作ってこそ。だれのためのシニアマーケティングなのか、という本質にブレが生じてしまえば、いいものがあっても求める人に伝わらない、届かない、という残念なことになってしまいます。

ココに注目!

今回は、特に女性のファッションに関してお話してきたので、女性に絞って以下続けます。同じ年齢の女性でも、これまでの生き方や家族構成、体調、現在の行動範囲等、さまざまな要因でファッションに求めるものは大きく異なってきます。シニアマーケティングを考える上で最も重要なのは、ひとまとめに「シニア女性」と捉えても十分ではない、ということです。シニア女性の様々な価値観を中心に紐解いていき、導かれた人物像を正しくとらえて、そのイメージする人物の心を動かし、「欲しい」「買いたい」と思っていただくにはどうすれば良いかを割り出し、ふさわしい販促にたどりつく必要があるのです。

そこで、シルバ―ラボでは、独自の視点でシニアをカテゴライズし、傾向を割り出していわゆるペルソナ、つまりサービスや商品(ここではファッションアイテム)の典型的なユーザー像をまとめたシートを作成しました。その第一弾のvol.1「シニア×洋服」がこちらです。例えば、この分類をベースに、実際には商材によってさらに絞り込んだり、ペルソナを細かく設定したりしながら販促のシナリオづくりをすることで、より現状に沿った施策が可能になります。

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