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10Idea4U vol.402018 July紙メディアをデジタルメディアと同等の簡易さとスピードで提供します資料印刷業界にも必要な時代に合わせた意識改革 ブランドマーケターが新しいオムニメディアの世界観を認識し始めるようになった今、国内のステークホルダー(広告・印刷業界)の方々にはどのような意識改革が必要なのだろうか。 当社は広告会社ではないので偉そうなことは語りたくないが、20年間プロの方々のバックヤードとして活動をしてきた中で、ここ数年の変化には特に高い関心を持っている。デジタル化とクラウド化が社会を大きく変えていく中で、マーケティングとセールスプロモーションや販売(営業)活動の間に存在していた境目がどんどんなくなり、全てのチャネルでROIやKPIが見えるコミュニケーションを実施したいとの要望が高まり始めた。デジタル思考なプリントメディアとその運用サービスを展開する当社の動きも、この変化と並行して加速し始めている。 生活者が多様なチャネルで情報を取得、判断し、好きな時に好きなチャネルから自由に買い物ができるようになった現代、売り手が自社にとってインセンティブが高い購買を促すためには”ライトタイミング”と”ライトオファー”が特に重要になる。これをスピード的にもコスト的にも許容できるデジタルメディアが自然と”ライトメディア”になっていった。 デジタルで施策が回れば回るほど、データは容易に取得できるようになり、機能アップも加速。結果としてデジタルへの期待と依存が高まり、紙メディアとの分断が始まった。デジタルが成熟し始めると、リアルな販売(営業)活動からの収益が大きな比率を占める国内ブランドは、デジタルに偏りすぎることで発生する矛盾やリスクに気付き始め、オムニメディアの必要性、可能性を追求し始めている。デジタルマーケターがプリントメディアに革新を起こす 気付きを持ったブランドマーケターはリアル側の運営を少しでもデジタルに近づけることを目標に、運用支援システムやツールへの投資、クラウドサービスの採用を実施し、両チャネルを並走させる努力をし始めた。しかしながら縦割り組織が原因でシステム間の連携やデータの一元化が難しく、リアルをデジタル同等のスピードで動かすためには、より多くの人的リソースとお金が必要になり、オムニメディアを目指せば目指すほどストレスが高まっていた。この課題を確実に乗り越えるためにも、ブランドマーケターの方々にはここで一度、自社が活用している印刷物とその運用を再評価するプロセスを持つことを提案したい。 現状と経緯を正確に洗い出し、既存の印刷物を守り続ける姿勢がどのようなリスクを秘めているかを理解した上で、”デジタル”印刷テクノロジーの本質と可能性に触れてみて欲しい。この理解が今まで築きたくても実現できなかった、動的にオムニチャネルビジネスを支援可能なコミュニケーションプラットフォームの完成に必要なミッシングピースだったという気付きにつながるはずだ。 特にデジタルマーケティングのプロたちがプリントメディアの可能性と楽しさを知り、各々のドメインをつなげることが大きな進化を起こすと考えている。デジタル思考な方々と、オムニメディアを語り合い、実現に向けて共に活動ができる時が来るのはそう遠くないと感じているが、問題はサプライヤーサイドだ。印刷業界が常に最善の品質と最適な価格の提供に必要な努力を惜しまず、改善を繰り返していることは十二分に理解している。デジタル印刷ともデジタル時代 / データドリブン のプリントメディア変革するアナログメディアの新潮流未来ドリブンなプリントメディアの可能性を議論しよう

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