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7Idea4U vol.342017 July 2003年、ニューヨーク・ブルックリンの西、サンセットパークで若い夫婦がレコード工場を始めた。 音楽がCDに移行し、レコードは廃れ、そのCDさえもデジタル配信に取って代わられる現代。時代錯誤とも言えるレコードの製造を始めた。しかも、レコードのプレス機は1台だけ。この工場は経営を続けられるのか。 しかし、そんな心配は無用だった。アメリカ国内にあるレコード工場の多くは大手のレコード会社からの注文を受けている。インディーバンドや小さなレコードレーベルはこの工場に発注するしかない。そのため創業当初からニーズは絶えずあった。 ロックの大物女性アーティストが自 日本の自動車会社が、新車のPR動画をYouTubeで公開した。 舞台はCM制作会社。ディレクターが自動車会社の広告担当者から映像の確認を受けている。 動画は、男の犯人と警察のカーチェイスで始まる。すると、すぐ担当者は「犯罪を助長するのか」と指摘。ディレクターは慌てて主人公を正義感の強い女性にし、悪の集団に囚われた恋人を助け出すという設定に変更する。 彼女の運転する同社の新車が、車と車の隙間をすり抜けて走る。また担当者からチェック。安全機能があるから、車間を詰めたり、ウインカーを出さずに車線変更したら、アラートが鳴る。ハイブリッドも強調してほしいと。すぐ変更。分のレベールを立ち上げて、発注することもあった。 おかげで、プレス機が間に合わないほど注文が舞い込み、もう1台導入してもすぐに注文でいっぱいになった。「もっと早くできないのか」と急かされて嬉しい悲鳴を上げている。 ブラジルのアーティストがレコードを作ったことがきっかけで、ブラジルからの仕事依頼も多く舞い込むようにもなった。 休暇でニューヨークに来たついでにレコードを作る外国のアーティストもいて、彼らの滞在期間中にレコードを製造することも。小さな工場だから融通が効く。 このように注文が集まり、年間100万ハイブリッドだから静かに走り出して、安全運転で助けに行く。 このように、修正を重ねながら話は進み、彼女は恋人を助け出す。 だが、執拗に追ってくる敵。しばらく走ると、同じ色の車が何台も停まっている。そこに紛れ込んで追っ手をまく。 担当者はお気に召さない。カラーバリエーションが人気なのだから、全部違う色にするようにと。それでは捕まってしまうとためらうディレクターに、担当者は「この二人の幸せとクライアントの幸せ、どっちが大事か」と問いかける。「捕まりましょう」と即変更。こうしてCMは見事完成する。 4分50秒の少々長い動画だが、「面白い。最後まで見た」「何度も見てしまう」枚以上のレコードを製造している。と好評で、公開から1か月で200万回も再生された。希少価値で生き残る 夫婦で営むレコード工場皮肉いっぱいのCM動画が大好評に

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