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4Idea4U vol.322017 Marchフォトブックや書籍は、デジタルデータから生まれる印刷品質や質感が重要となります資料デジタル印刷は従来のPODとは異なる POD(プリント・オンデマンド)やオンデマンド印刷という言葉は、もう20年以上前から存在していてご承知の方も多いかもしれません。弊社からは最近「デジタル印刷」の活用をご提案させていただいておりますが、よく「デジタル印刷って、オンデマンド印刷と何が違うの?」と聞かれます。そもそも「オンデマンド」という表現はビジネス用語で、「必要なときに」「必要な量だけ」という意味があります。 PODは、小ロットで短納期という対応を求められたサービスの総称です。対して、デジタル印刷は、印刷技術面での総称であり、印刷の版を必要とせず、デジタルデータを紙などの媒体に直接印刷することをいいます。デジタル印刷の最大のメリットは、データから直接印刷できるので印刷内容を1枚ずつ変更ができる技術であることです。 ただ、この1枚ずつ印字内容が変更できる機能があっても、価値として殆ど活かされませんでした。理由はいくつかあります。-あくまで従来の印刷機の代わりとして、少部数の際に使われていた。-粉体トナーによる印刷品質は、従来のオフセット印刷とは違っていた。-速度は遅く、一台で出力できる数量は限られていた。 PODという表現には上記の印象が大変強く、営業的にビジネスするうえでも妨げになっていました。高速化・高品質化・大サイズ化する中で、弊社ではあえて「デジタル印刷」という表現を使っております。デジタル印刷は、データを余すことなく活用できる受け口を持っており、従来のオフセット印刷に負けないスピード、クオリティに変化しつつあります。そうなると、いかにデータを継続的に駆使して、流れ(ワークフロー)を構築して、どう取り決め(契約)をするか?といったこれまでとは異なる視点での会話をさせていただいております。消費者向けサービスで活用されるデジタル印刷 “デジタル印刷=高品質”として一番最初に普及したのは、「フォトブック」などの消費者向けサービスではないでしょうか。フォトブックは、デジタルカメラに撮りためた写真をWebブラウザや専用のスマートフォンアプリ等で編集を行ない、1冊の本として作成したものをいいます。インターネットを通じたサービスであれば、使う写真を選択し、レイアウト配置を編集しながら決定し、配送先を入力し、注文するといった流れが一般的です。各社サービスを見ると印刷方式は様々ですが、最近では一般的な印刷雑誌や出版物と同レベルのデジタル印刷品質で提供するものが増えております。 注文後、印刷所には注文・顧客情報を含めたテキストデータと編集後の印刷可能なPDFデータが届きます。テキストデータを元に、注文ごとに印刷必要なページ数や冊数、サイズ等の情報が分かる作業指示書を発行します。PDFデータは効率的に印刷できるように、複数注文を一括で印刷できるように面付け処理が行なわれます。殆どのフォトブックサービスでは個別のID番号を1冊ごとに付与して注文情報を管理しているので、フォトブックの裏表紙に印字されたバーコードで配送情報を読み出し宛名ラベルを発行できるようにしております。このように、印刷品質の担保は勿論、データを駆使して時間管理を行ない、各種エラー時の対応等のワークフローを決めたうえで、サービスが提供されております。「デジタルwith紙」で価値をつくるデータから人の五感に響く紙で訴求するデジタル印刷の活用方法

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