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2Idea4U vol.292016 September 経済産業省による2015年の調査では、日本におけるBtoC-EC市場規模は13.8兆円規模(図1)となり拡大し続けております。このEC市場が成長し続ける背景には、ECを開設するためのシステムやショッピングモール環境の充実による参入のしやすさや、PCのみならずスマートフォンやタブレットへの対応などが挙げられます。消費者にとっては、営業時間を気にせず買い物ができたり、品揃えが豊富であったりと私生活の中でのメリットがあります。しかし、インターネット上には情報が溢れ返っており、多くの中からほんの一部の商品やサービスが選ばれる「戦国時代」のような状況です。そこで求められるのは、分かりやすい説明や万が一のトラブルにおいての対応など、インターネット特有の顔が見えない事への不安を払拭する「おもてなし」ではないでしょうか。そのECにおける「おもてなし」をどのように実現できるかを考えていきます。 2020年の東京オリンピック招致の最終プレゼンテーションを契機に、改めて「おもてなし」という言葉をよく耳にするようになりました。ただ、ビジネスで考えると、【日本のおもてなし=日本の独自性を出す】等、本来の意味とは違う解釈をされている場面も目につきます。いまでは「おもてなし」の言葉だけが独り歩きしてしまっている感がありますが、本来の語源は【もてなす=客を取り扱うこと。食事や茶菓のごちそうをふるまうこと】とされております。これをビジネスにおける「おもてなし」として考えると、以下のようになるでしょうか。−企業と顧客が直接的あるいは間接的に接し、サービスが提供されていること−たとえサービスの提供が確定していなくても、状況に応じて企業側からの対応があること−企業にとって顧客は大事な存在であり、顧客のニーズを探り、顧客の期待を越えるサービスを提供しようとする姿勢があること こう考えると、商品やサービスを販売する前のコンサルティングや後のメンテナンスなどの顧客サポートが「おもてなし」に該当します。また、販売には決まりきったシナリオだけでは解決できず、その場に応じた従業員や係員の柔軟な対応こそが「おもてなし」です。そのためにも、顧客からの要求に適度に対応する行動こそが、感動してもらえるきっかけになるかもしれません。 インターネット上における接客において、先述のような「おもてなし」はどのように対応できるでしょうか?おECサイト顧客に再来していただくためのEメールやDMでの「おもてなし」とは?経済産業省:平成27年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)より引用2010年2011年2012年2013年2014年2015年0.00%1.00%2.00%3.00%4.00%5.00%77,8802.84%3.17%3.40%3.85%4.37%20,000040,00060,00080,000100,000120,000140,000160,000(単位:億円)図1.日本のBtoC-EC 市場規模の推移EC市場規模(左目盛)EC化率(右目盛)84,59095,130111,660127,970137,7464.75%リピーターを創造するための施策を考える「おもてなし」の本質を見直すECにおける「おもてなし」は?

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