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3Idea4U vol.282016 Julyまとめ■兵庫県の食材に特化し、レストランを  基軸にした経営スタイル。■顧客からサポーターへのステップアッ プをサポートする仕掛けづくり。■「食」を入口とし、地域発の農業支援 をビジネスとして確立。社員研修や福利厚生等、法人向け「畑の研修ツアー」も実施しています。 詳細は、こちらでご覧いただけます。http://www.agri-cation.com/1.光岡大介(みつおか だいすけ) ファームアンドカンパニー株式会社 代表取締役 2.3.「ナチュラルかつハイセンスな「野菜ビストロレギューム」店内 4.兵庫県産食材をたっぷり使ったこだわりメニュー 5.だれもが笑顔になれる畑の研修風景 6.「デリステール」ブランドの調味料 7.有機野菜ピザ 8.生産者との対話から食材が生まれる現場を知る 9.「兵庫 食べる通信」創刊号 表紙148675329ビジネスとしての有機農業を確立させるために際にその食材が作られている現場を知ることで、「食」とその周辺への興味が芽生え、一次産業との関わりも変化する、という流れをイメージしています。 「生産者が有機農業をビジネスとして成立させるには、パートナーが不可欠です。現在はまだ、都会側からの視点で動いている事業ですが、ゆくゆくはもっと“農業寄り”にしたい」という光岡氏の言葉には、有機農業への期待と熱い思いが込められています。それは、生産者と農業生産法人を作り、共同で畑を運営し、農業で独立したい若い世代の人材育成ができたら、というもの。「都会のファームアンドカンパニーという会社が成功した」ではなく、生産者が主体的に関わった事業の成功事例を作るというわけです。 「食」に関しては、便利ならそれでいい、という話ではありません。畑という生産現場や生産者の思いが置き去りにされると、食べ物は単にお金と交換で得られる商品でしかなくなります。ファームアンドカンパニーは、消費者が畑まで足を運んで生産者と会う機会を提供し、顧客からサポーターになってもらう、いわば橋渡し役でもあります。「これは有機栽培ですよ」とか、「淡路島産玉ねぎですよ」というスペックからは見えてこない、生産者の思いやこだわりを知ることが、“今日食べるもの”とのつながりを感じるきっかけになります。 「食」が生まれる場に携わる人も、都会にいてそれらを消費する立場にある人も、自然環境とのかかわりを含めたひとつのサークルの中にいます。決して別世界ではないと実感できるのが、「食卓」と「生産者」との理想的なあり方です。共に歩んでいる有機野菜農家の方には、30~40代の比較的若い世代も多く、今後も新規就農を目指す方でも、安心して就農できる仕組みづくりが必要でしょう。「食」という身近な営みを大切にしながら、人と自然とのつながりを発信し続けるイノベーションは、未来を予感させる新たなビジネススタイルと言えるでしょう。 (不二印刷株式会社)

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