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7Idea4U vol.222015 Julyプロモーション■音楽プレーヤーを ボトルに入れて販売 日本のオーディオ機器メーカーが、ヘッドフォン一体型の音楽プレーヤーを開発した。この製品の最大のアピールポイントは、耳に装着したままで水泳ができるほどの高い防水性。同社のサイトやパンフレットでは写真やイラストを入れてその利点を説明した。 だが、ニュージーランドの広告代理店は「論より証拠」の手法で宣伝した。水の入ったボトルにこのプレーヤーを入れて、スポーツジムの自販機で販売したのである。 価格は日本円で1万円ほどなので、ミネラルウォーターのようにすぐ売れるものではないが、ジムの利用者の注目を集め、その防水性をPRすることに大いに役立った。■陳列方法を変えるだけで 売上が倍に ペルーの中堅乳業メーカーは乳糖ゼロの牛乳を販売している。他社も乳糖を大幅カットした牛乳を販売しているが、微量ながら含まれている。この会社の牛乳は乳糖ゼロ。しかし、宣伝の予算がないため、広く知らせることができない。パッケージで大々的にアピールしようにも、デザイン変更に費用がかかる。 そこで、同社が考えた方法は、スーパーの棚の陳列を変えることだった。 これまでのように商品名や写真が載った前面ではなく、成分表示のある側面を商品棚の前に向けて並べた。他とは違う並べ方が客の目に留まり、成分表示を見る。すると、乳糖ゼロであることがわかる。と、いうアイデアだ。 この作戦は功を奏して、陳列方法を変えてから1週間でスーパーでの売上が2倍に増加した。■野菜についての質問に 社員が直接回答 野菜ジュースやケチャップなどを製造・販売する日本の食品会社が、2014年8月、ツイッターで野菜に関する疑問・質問を受け付けた。質問は誰でもできる。ハッシュタグをつけて質問をツイートすると、同社の公式アカウントから社員が回答する。 例えば、「キュウリには栄養がないと聞きました。それでも食べた方がよいですか」という野菜の栄養価についての質問には、「きゅうりは約90%以上が水分ですが、ビタミンC、カリウム等の成分も含まれています。特に夏は熱中症対策に水分は大事ですから、おいしく食べていただけると嬉しいです」と、丁寧に答えた。 このような方法は、相当な手間がかかる。だが、真摯な対応が質問者や読者に好感を与え、同社のファンを増やすことにつながった。■フライドポテト占い スウェーデンのファーストフードチェーンが新メニューのフライドポテトのPRに占いを使って話題になった。 客がそのフライドポテトを購入後、トレーに全部出してスマホで撮影し、写真にハッシュタグをつけてSNSへ投稿。 すると、占い師が画像を見て、カップに残った紅茶葉の形をみるイギリスの紅茶占いのように、ポテトの並び方から今後の運勢を占ってくれる。 この占い師はこのファーストフードのファンで、よく来店するので、店で会った人は直接占ってもらうこともできる。 簡単な方法だが、「いいね」は38000件、フォロワー数は1500%増加、店の売り上げも前年比で35%アップした。 莫大な広告費は不要 売り方を変えて注目を集める販促方法SNSで一人ひとりに直接返信をしてファンを増やす

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