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7Idea4U vol.172014 SEPTEMBERデータベースマーケティングの基本を決定し、輪配送、在庫管理等のロジスティクス戦略に活用することである。一般にこのような商品管理型ビジネスは、購入頻度の高い食料品や日用雑貨等の品揃えをする業態で有効とされ、スーパーマーケット等に代表される量販店チェーンで採用されてきた。たとえば、夏の暑い日にはアイスクリームや氷菓の売上が伸びるため、翌日の予想最高気温から発注量を増やすというように。 このような業態では、有効かつ効率的に展開できる情報システムの高度化が志向されてきた。 一方、顧客管理型は、個々の顧客の属性やその購買履歴などに関する情報に基づいて、誰がどんな商品をいつごろ買うかということを予想することを目的としている。一般に、この方法は専門品や買回り品を品揃えする業態において有効とされ、専門店や百貨店などがこのシステムを採用し、その高度化を目指してきた。たとえば、よく購入する商品やその関連商品の割引クーポンや、ポイントサービスなどがその手法である。 ここで、両者の違いをより具体的に明らかにしておこう。商品管理型は、個々の顧客へのサービスを予定せず、顧客をマスあるいはグループとして捉え、その共通ニーズに向けて品揃えを展開する。それゆえ、相対的に見て、不特定多数の顧客への適応にこのシステムは合致している。すなわち、顧客数をできるかぎり多く捉え、彼らに向けて有効かつ効率的な品揃えをつくり出していく情報システムとして、これを捉えることができる。したがって、品揃えラインを売行きに合わせて拡大していくということが想定されており、その意味でスーパーマーケットのようなフルライン型品揃え業態に適していると言える。 これに対し顧客管理型では、ターゲットとする顧客をマスとして捉えず、その各々への個別対応が行われる。したがって、顧客は比較的少数の者に絞られ、各々についての長期的な客単価の向上が狙われている。こうした意味での客単価を上げることができれば、あえて品揃えラインの拡大をしなくてもよく、むしろ、そこでは個々の顧客のニーズに適応すべく特定ライン内での品揃えの深さの追求が重要視されてきた。 さて、この顧客管理型を、従来は商品管理型を展開してきた量販店チェーンを中心に採用している。つまり、個客識別マーケティングの中心は顧客管理型であると言うことができる。 ここで重要なことは、量販店チェーンが顧客全体を対象とする商品管理型ビジネスを展開しつつ、一方で高頻度来店客を対象とする顧客管理型ビジネスを展開していくという点である。このことは量販店チェーンの戦略の高度化を物語っており、今後、量販店チェーンが競争優位性を確保していくための重要な手段として個客識別マーケティングが位置づけられる可能性があることを示唆している。(編集部)まとめ■個客識別マーケティングは、来店頻度の高い顧客を識別し、割引等の優先的なサービスを展開することで彼らを固定客化すると同時に、その割合をできるかぎり高めることを目的にしている。■人口増加傾向が鈍った国や、グローバルな競争の下では、個客との関係維持が重要である。■個客識別マーケティングには、商品管理型と顧客識別型があり、後者が主流になっている。商品管理型ビジネスから顧客管理型ビジネスへ集客方法アイデア集動画でもコンテンツ配信を開始しました!Idea4Uでは、集客方法のアイデアを集めた動画配信を開始しました。お手持ちのPCやスマートフォン端末、タブレット端末からご覧いただけます。ID:idea4u Password:guest http://idea4u.jp/movie/PCアドレス→

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