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4Idea4U vol.152014 MAY 私は、現在、スモールビジネス紹介センターという会社を経営しています。低投資で開業可能な事業、比較的リスクの低い事業を、フランチャイズ展開する、というコンセプトで作った会社です。現在、展開している事業は、飲食関連のみとなっておりますが、外食産業以外の業界に参入すべく、結婚相談所、フィットネス事業、EC事業の立ち上げ準備をしています。 それらすべての事業に共通するのが、低投資でローリスクな事業であることです。社名のとおり小規模ビジネスの開発・運営に特化しています。 現在の会社を立ち上げたのは、今から8年前(32歳のとき)ですが、22歳から32歳までの10年間は、名古屋市内で20店舗を運営する「旗籠家」という居酒屋チェーンのオーナー経営者をしておりました。その会社は、2006年に、株式譲渡で事業売却しています。 居酒屋事業の立ち上げから、売却までを「小さな飲食店 成功のバイブル」という本にまとめ、出版しましたので、ご興味のある方はご一読ください。 私のもとには、日々、経営に関する相談が寄せられます。 私は、経営には、絶対的な成功法則はない、と考えております。なぜなら、成功のパターンも、成功する経営者の人物像も、多種多様だからです。 しかし、ひとつだけ経営のコツを語れといわれたら、私は迷わず「今の事業が健全なうちに、次の事業の柱を作り出すこと」と、答えます。現在の経営環境では、事業の寿命が、年々短くなっています。極端な話に聞こえるかもしれませんが、1つの事業コンセプトやサービスが通用するのは2年くらいしかないのかもしれません。 新規事業の開発には、お金がかかりますので、資金に余裕のあるうちに立ち上げておく必要があります。現在の事業の資金が逼迫した状態で、新規事業を成功に導くのは、現実的には難しいからです。私は、25歳から会社経営者となりましたが、その歩みは、まさに新規事業開発の連続でした。そして、新規事業を立ち上げ、軌道にのせるたびに、事業規模の拡大を実現してきました。それは、私に限らず、どの会社も同じではないかと思います。 不況が長引き常態化している現在、会社経営も業績の格差が広がっていると言われておりますが、新しい事業に挑戦する経営者と、挑戦できない経営者の二極化がすすんでいるだけと、私は考えています。 新規事業を成功に導く最善の方法は、チャレンジをつづけることです。わずか5%しか成功確率のない事業を、50回連続で失敗する確率は、わずか7.7%といいます。ちなみに100回連続で失敗する確率は、わずか0.6%。すなわち、チャレンジの連続によって、いつか必ず新規事業は成功にいたります。とはいえ、数十回も新規事業を連続して立ち上げるのは現実的ではありませんので、新規事業の成功確率を飛躍的に高める方法、および、なるべく多く挑戦機会を創出できるよう、低投資で立ち上げ可能な新規事業を生み出すスキルが、今の成熟社会においては、絶対に必要な知識であると断言できます。 まず、最初に伝えておきたいのは、事業というのは、どのビジネスをするのか、を選んだ時点で、成功の80%が決まってしまうということです。 今から18年前、私は父親の経営していた小規模スーパーの後継者にはならず、外食ビジネスを選択しました。また、外食ビジネスの中でも、居酒屋という業態を選択いたしました。当時の私が、居酒屋事業を選択したのは、市場規模は大きいが大手企業の寡占が緩かったからです。 いま思えば、大手との差別性を持たせるのが難しいうえに、売り場面積の大きさが競争優位に直結する食品スーパーの事業ではなく、居酒屋事業を選んだことが、自分の人生を成功に導いてくれたのだと思います。 町を歩けば、すぐに分かると思いますが、居酒屋というのは市場を寡占しているリーダー企業が存在していません。もちろん大手企業はありますが、市場を寡占するほどのシェアは獲っておりません。ビジネス成功の新しいカギ『小さな飲食店 成功のバイブル赤字会社から年商20億円までの軌跡』(インデックス・コミュニケーションズ)今の事業が健全なときこそ次の事業の柱を作るべき狙い目は市場規模が大きく寡占が進んでいない業界資金が無くても成功できる!新規事業の起こし方

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