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4Idea4U vol.142014 MARCH はじめまして、鬼頭宏昌といいます。私は、現在、スモールビジネス紹介センターという会社を経営しております。 低投資で開業可能な事業、比較的リスクの低い事業を、フランチャイズのスキームを使って展開する、というコンセプトで作った会社です。現在は、飲食関連の事業のみでの展開となっておりますが、外食産業以外の業界に参入すべく、結婚相談所、フィットネス事業、EC事業の立ち上げ準備をしております。それらのすべての事業に共通するのが、低投資でローリスクな事業であることです。社名のとおり小規模ビジネスの開発・運営に特化しております。 現在の会社を立ち上げたのは、今から8年前(32歳)ですが、22歳から32歳までの10年間は、名古屋市内で20店舗を運営 する「旗籠家」という居酒屋チェーンのオーナー経営者をしておりました。 2号店の立ち上げの際に、父親の経営する会社に入社をし、3年後の赤字転落 を機に会社の再建を託され、当時2店舗だった旗籠家を20店舗まで成長させ、2006年(32歳)に、株式譲渡で事業売却しました。居酒屋事業の立ち上げから、売却までを「小さな飲食店 成功のバイブル」という本にまとめ、出版をしておりますので、ご興味のある方はご一読ください。 私たちが、フランチャイズ事業をスタートして5年が経過しましたが、この5年で最も加盟店数が伸びたのが、宅配とんかつ「かさねや」という事業です。 フランチャイズの事業をスタートしたときは、立ち飲み屋やつけ麺屋の展開をしていたのですが、もう少し、店舗展開のスピードを速めたいと思い、立ち上げたのが、宅配とんかつ事業でした。現在、全国に65店舗ほど展開しておりますが、開業以来の出店数は100店舗を超えています。 どのような事業かといいますと、売上アップを望む飲食店さんに、①専用の電話回線と宅配用のバイクを  用意してもらう②周辺の住宅に弊社が用意したチラシを  ポスティングする③注文を受ける④受注後、既存スタッフが、とんかつ  弁当をつくり宅配するという単純な仕組みです。 急速なスピード展開を可能にした理由は、すでに存在する既存店を活用する二毛作事業だったからです。 競争の激化や店舗の老朽化に伴う 売上減少に困っている飲食店さんが、 バイク一台を買うだけでスタートできる手軽さが、「売上は上げたいけど、極力投資は抑えたい」という、経営者ニーズにマッチしたのです。 従来の店舗ビジネスの常識では、売上が下がれば、その対策として店舗リニューアルをしておりました。しかし、店舗リニューアルには、多額の投資が必要に なるのですが、売上が増加するのかは未知数である。 という具合に、リスクは確実にあるが、 リターンは未知数という、非常に分の悪い投資です。一時的に売上は上がっても、その 売上を継続するのは困難な時代なのです。 しかし、既存店を運営しながら宅配 事業をスタートする、というのは、投資はバイク一台(レンタルでも可能)だけで済む うえに、売上はほぼ確実に上がる、というリスクはかなり限定的で、リターンは相応に見込めるので、店舗リニューアルよりも、遥かに現実的で、確実な投資といえます。 私は、宅配とんかつ「さかねや」の拡がりを経験する中で二毛作ビジネスは、 現在の不況を乗り切る最善の策のひとつ商売繁盛の新常識宅配とんかつ「かさねや」のチラシ。フランチャイズ本部が用意するので、店はポスティングと、とんかつづくり、配達をすればよい。店舗リニューアルなし投資を抑えて売上増加不況をのりきる「二毛作ビジネス」既存店を活用して、低いリスクで売上を伸ばす方法

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