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9Idea4U vol.132014 JANUARYプロモーション■釣船店の起死回生策 神奈川県茅ケ崎市の釣舟店Aは釣り客が減少して倒産寸前だったが、ネットの利用で危機を脱することができた。 まず、A店では4人いる船長全員にデジカメを持たせて、釣った魚の写真を撮らせた。ブログにはその写真はもちろん、釣った魚の情報や、水温・水深などの細かな情報も掲載した。さらに、魚の料理レシピも定期的に紹介し、釣りの面白さをより詳しく伝えるように努めた。 また、フェイスブックやツイッターなどのSNSで情報発信と共に、お客さんが釣果を投稿するとすぐシェアやリツイートして、つながりを持った。 その取り組みを始めたのは2012年。3月には同月の過去最高の集客を記録し、その後も釣り客が増えている。なお、かかった費用はサーバーの月額1000円のレンタル代だけであった。■ネットで在庫確認できる 大型雑貨店 全国展開する大型雑貨店Bは、2012年12月にネットストアのサイトをリニューアルした際に、15分ごとの実店舗での在庫状況を表示するようにした。 これによって、買いに行ったのに品切れだったということがなくなり、来店客が増えた。 さらにレジのPOSシステムと連動させて、「今これ売れました」と店舗で売れた商品をリアルタイムに表示するようにした。この店は品数が豊富で、客には買う目的以外の面白いモノと出合えるという期待感も魅力の一つ。ネット上でも、他の客が買った物を表示することで、その期待感が生まれるようになった。 この面白いモノと出合える期待感が顧客には人気で、それがまた実店舗へ足を向かわせることにつながっている。 岐阜県各務原市にある、家庭菜園用の苗やガーデニング用品を扱うホームセンターは、販売以外にも力を入れている。 店の入り口を入ると、そこは産直マルシェ。岐阜県内や近隣の農家で採れた新鮮な野菜が毎朝入荷されて、所狭しと並んでいる。大きさ不揃いで、不格好な「B級」大根が1本100円で販売されることもある。さらに、飛騨牛を使ったコロッケやハンバーグ、美濃ヘルシーポークなどの地元産の肉や、マグロ、カニなどの魚介類も豊富で、スーパーと肩を並べるほどの品ぞろえだ。 その奥は産直ビュッフェで、11時30分から15時までは大人1380円でランチが食べ放題(ドリンクバー付)。メニューは、こちらも産地直送の季節の野菜をふんだんに使った料理。作るのは地元のお母さんたちで、きんぴらごぼう、れんこんの煮物などの家庭の味や、里芋の竜田揚げ、カブとえびのあんかけといったオリジナル料理を楽しめて、週末には行列ができるほどの人気だ。15時以降はカフェになるが、試食としてその一部の料理を食べることもできる。 さらに、テラス席ではバーベキューができる。料金は大人1名、飲み物以外全て込みで2,980円と良心価格。こちらも家族連れに好評だ。 ガーデニング売場では、苗や肥料、園芸用品の販売だけでなく、日本家庭園芸普及協会認定のグリーンアドバイザーの資格を持つガーデニングの専門家が店内にいて、相談することができる。定期的に寄せ植え教室も開かれている。 この自然をまるごと楽しむ店づくりは、お客さんの心をつかんで放さないようだ。クーポンをばら撒かずに、顧客を増やすO2O戦略産直売場を併設し、バーベキューもできるホームセンター

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